
マドンナ、ケイト・モス、バスキア、ビル・ケイツ。世に名の知れた各界の著名人たちの顔が壁いっぱいに並び、それぞれが違うカタチでアートとなって展示されているストリートアーティスト Mr.Brainwash によるアートショー「ICON」。先月2月14日バレンタインの日に、ミートパッキングのギャラリースペースでオープンしました。今回は、Mr.Brainwashの熱くスウィートなメッセージ“GIVE LOVE”を通じて彼のアーバン・アートをご紹介します。


アーティスト名Mr.BrainwashことThierry Guetta は、現在LAを拠点として活動するフランス人アーティスト。幼い頃からガラクタを集めては次々とアートピースをつくり、常にアートとしての“何か”をクリエイトしてきた彼は世の中にはLOVEとアートに溢れていると言います。フランスからLAに渡ったのが今から約20年前。その間アートワークは続けていたものの本格的なキャリアは映画監督として作品づくりに取り組んでいました。カメラを構え、レンズを通じてこそ見える様々な世界が、彼のアートづくりにも良いインスピレーションを与えていたのです。そして、映画作品のために撮影をしていたストリートアーティストたちとの出会いが大きなきっかけとなり、そこで映画製作を止めて本格的にアーティストとして活動をスタート。世界的に有名で正体不明とされる謎のイギリス人グラフィティアーティスト、バンクシーから「おまえはアーティストになるべきだ」と言われ、それが大きな後押しになったそうです。彼らは、主にステンシルを使ってストリートの壁に政治的、反体制的なアートを描くアーバン・アートのアーティストたち。時代の流れや社会的メッセージをアートに反映させる意味でもMr.Brainwashは影響を受けたのです。


今回で2回目となるMr.Brainwashの展示会のテーマは「ICON」。ミュージシャン、俳優、スーパーモデルからアーティスト、映画監督、政治家、IT系の人たちなど、様々なフィールドで活躍する著名人たち、つまり時代を象徴する人物をシンボルとして表現した作品展。なぜアイコン?の問いには、「人は誰でも“何か”を持って生まれてきて、ここにいる著名人たちはその何かに気づいてパッションを貫いてきた人たち。でも本当は彼らもみんなと同じ人間なんだ。パッションと才能の差で彼らは優れているけれど、僕はみんなにもそういうものはあると信じている。そんなポジティブな部分を表現したかった。LOVEを与えたかったんだ!」と思いを伝えてくれました。彼のポップな画風はアンディ・ウォーホールやジャクソン・ポロックを彷彿させ、アーバン・アートの先駆者的存在だったジェレミー・リードやバンクシーまでもMr.Brainwashを絶賛するほど。そしてギャラリーには、去年の夏にリリースしたマドンナのグレイテストヒットアルバム「CELEBRATION」のカバーに使われた作品を大きく展示。不景気にも関わらず彼の作品は即SOLD OUTになるほど、彼はバンクシー以来の大物として今最も注目されているアーティストです。


彼のアイコン・アートは、シルクスクリーン・プリントものから砕いたレコードを貼り絵のように繋ぎ合わせて作り上げるユニークな作品まであり、ダイナミックな勢いとともに全体的にカラフルでリズミカル。そしてレコードについては、たまたま落として割れてしまったレコードを捨てるのではなく“何か”=アート=LOVEにすることはできないか?と思い立ちつくり始めたそうで、さらにリサイクルできないタイヤを集めてこどもたちための乗り物をつくって公園に置きたいなど、地球の将来も意識したLOVEのあるアーバン・アートをつくり続けています。彼の様々な経験がLOVEに繋がる作品たち、今後の展開も楽しみです。
Mr.Brainwashも出演しているバンクシー初監督作品のドキュメンタリー映画「Exit Through the Gift Shop」が、2010年3月5日よりロンドンで公開決定。日本で公開される際にはぜひチェックしてみてください。
Mr.Brainwash
http://www.mrbrainwash.com/