

先週末に、イタリアとの国境に近いオーストリアのインスブルックに遊びに行ってきました。インスブルックは昔からアルプスを行き来する人達の交差点として栄え、今なおチロルの州都として文化、習慣を受け継いでいます。イタリアからわずか40キロの距離なのにこんなにも街の雰囲 気が変わるとは、ヨーロッパが地続きの大陸である醍醐味を感じさせてくれます。そんな訳で、意外と知られていないヨーロッパの秘境、チロルのファッションをお伝え致します。

チロルの伝統衣装と言えば、フリルや刺繍の付いたブラウスにぴったりめのベスト、そして細かな花柄が整然とプリントされたロングスカートが特徴的です。裕福な貴族のお膝元で手工業も栄えたことから、リボンやキルティングを使った凝った装飾をプラスしたりもします。若草色や明るいオレンジなどをメインに、ちょっぴりレトロな雰囲気がなんともかわいらしいファッションです。
正装の伝統衣装は今でこそお祭りなどの機会でしか着る事はありませんが、伝統衣装を現代風にアレンジしたアイテムは今日でも日常的にコーディネートに取り入れています。チロル系の赤のベストをジャケットの下に着てさし色に使ったり、印象的な大きめ丸ボタンをジャケットにつけたりなど、普段使いのアイテムにさりげなくポイントを効かせています。チロル地域の人達はすらりと背の高い人が多く、丈長のスカートやシャープな雰囲気のジャケットなどは本当によく似合います。日本でも最近「和」ファッションが見直されてきていますが、やはり民族衣装というのはその土地に住む人々を一番美しく見せるように作られているのだな、と再認識させられました。

チロルの都インスブルックで有名な、意外なブランドがあります。それはスワロフスキー。あの光り輝くクリスタルはアルプスの水を利用したここの工場で全て生産され、世界中に送り出されていきます。その昔、ガラス職人の息子として生まれたスワロフスキー創業者が、独自のクリスタル カット技術の秘密を守るために、アルプスの山の中に工場と建てたのが発祥だと伝えられています。現在でもインスブルック本店には、独自の商品ラインナップが展開されていたり、クリスタルギャラリーが設置されていたりと、スワロフスキー発祥の地として重要な役割を担っています。 また、インスブルックの生産工場に行くと、スワロフスキーの歴史が分かる美術館が見学出来るそうです。

また、チロルファッションをうまく融合しているオーストリアブランドと言えば、Mothwurf。1988年の創業以来、独自のデザイン、生地へのこだわりを追求しながら、エレガントなスタイルを確立していった有力ブランドです。 本店のグラーツと、オーストリア首都のウィーン、そしてインスブルック店の3店舗のみの展開にする事で、そのオリジナリティーとクオリティーの高さを保っています。もちろんチロルファッションの取入れにも積極的で、サマードレスのディテールにチロリアンな花柄をインしたり、大胆なフリルを散らしてみたり、その遊び心がチロル民族の心をくすぐります。
チロル地方の現代ファッションの特徴としてはコンサバ系がメジャーで、シンプルエレガントなスタイルが確立されています。色使いも比較的落ち着いたものが多く、イタリアやフランスのオシャレだけれどもちょっと奇抜過ぎるファッションに比べたら、日本人にも身につけやすいアイテムが多いです。また、背格好が大きく、大きめサイズの人が多いので、セールまで日本人に合う小さめサイズが豊富に残ったりしているので、ブランドショッピングの穴場だったりもします。もちろんアルプスに囲まれて雪国であるこの土地は冬は本格的なウィンターグッズや、高性能の防寒着、ジャケット等が充実しています。近くの山でスキーをした後に、チロルの街でショッピングをばっちり楽しむというのもなかなか素敵なバカンスではないでしょうか。
文化が変わればファッションも変わる。数多くの文化がひしめき合うこのヨーロッパ大陸、ファッションもその数だけバラエティーに富んでいると考えるとなんだかワクワクしてきますね。
Mothwurf 公式HP
http://www.mothwurf.com/start.htm