
イタリアの6月は学期末にあたるので、多くのアート系・ファッション系の学校では卒業展が開催されます。また、フィレンツェの最大ファッションイベント、紳士服展示会「PITTI UOMO」の時期とも重なって、街中がファッション関連のムードにつつまれる楽しい月でもあります。フィレンツェにあるインターナショナルなファションスクール「ポリモーダ」の卒業展「FIRENZE FASHION WEEK」を紹介したいと思います。
ポリモーダは1986年、フィレンツェ市とプラトー市、そして企業家たちのアソシーエションの主導と出資のもとに設立されたファッションスクールです。またニューヨークのファッション・インスティテュート・テクノロジー(FIT)とも提携していて、世界中から生徒が集まってきます。ファッション業界と密接な関係を保っているため、卒業生のほとんどがこの業界で仕事につけるというのが大きな魅力のひとつです。
2006年よりベルギー・アントワープ王立アカデミー・ファッション科の元学科長リンダ・ロッパ(Linda Loppa)氏をディレクター兼学部長に迎え、新しく生まれ変わろうとしているところ。リンダ・ロッパ(Linda Loppa)さんは才能あるクリエイターを発掘し、プロモートする人物として国際的に知られていて、多くのベルギー人デザイナーを育てあげてきた実力派。

場違いなところでのプレゼンテーション、ゲリラ的なインスタレーションをするのが大好きだというリンダ・ロッパ氏。今回のポリモーダ発信「フィレンツェ・ファッションウィーク」ではまさに、そんな企画が盛りだくさんとなっていました。
例えば、フィレンツェで最もエレガントで洗練された通りと言われているトルナブオニ通りにある高級ブティックのショウウィンドウが、生徒たちの卒業制作の発表の場として利用されました。

アンティノリ広場から始まり、サンタトリニタ橋まで続くこの通りは、ルネッサンス期より栄え始め、現在でもフェラガモ、エミリオ・プッチ、グッチ、プラダ、エルメス・・・などの高級ブティックや高級ジュエリー店がずらりと立ち並んでいます。また、通りに面したヴィラのほとんどが、有名で重要な建物ばかり。その洗練された雰囲気の中に展示されていた生徒たちの作品は、まったく引け劣ることのないレベルの高いものばかりでした。

昨年のミラノ・サローネ国際家具見本市でも生徒さんの作品を展示したそうです。家具の展示会に、ファッションの展示をするという試みはたいへん注目を集めたものになり家具のデザイナー以上に、メディアで大きく扱われ、ミラノでの場違いな展示は大きな成功を収めました。
そして今回の「フィレンツェ・ファッションウィーク」も、BANG & OLUFSEN BRUNO CEI, CHAMPION, CONTE OF FLORENCE,EDISON BOOK STORE, ELIO FERRARO gallery/store, EMILIO PUCCI, ERMANNO SCERVINO, ERMENEGILDO ZEGNA,FILISTRUCCHI, GUYA Via Calimara, GUYA Via Por Santa Maria, HERMES, LORETTA CAPONI, LUISA VIA ROMA, MAX MARA,NOMINATION, PATRIZIA PEPE, SANDRO P2, UNIVERSO SPORT, VERSACE など、ブティックに限らず、本屋やアートギャラリー、スポーツショップなど街中にある店舗のショウウィンドウを利用して作品のプレゼンをしていき、フィレンツェの街全体がファッションのお祭り雰囲気に包まれるという大変面白い企画となりました。
また、リンダ・ロッパ氏の講演が行われたのは、どこかの公会堂や会議室ではなく、フィレンツェ共和国広場に面してある老舗カフェ「ジュッベロッセ」でした。フィレンツェの街を最大限に利用し、生かした選択だったと思います。
伝統的なもの、クラッシックなものがとても大切にされるがゆえに保守的になりがちで、いつも古いものが静かに流れているというフィレンツェの街中に、何か新しくてかつ洗練されていてワクワクするような新鮮なエネルギーが流れ込んできたという印象を受けた楽しいイベントでした。
POLIMODA
http://www.polimoda.com/

