
まだ肌寒い夜もある、春の初めの南半球。今年はブラジルも異常気象で、7月には餓死したペンギンがブラジルの海岸に漂着したり、旱魃の影響で火災が大量に発生しました。そして8月終わりには、リオデジャネイロの国際ホテル立てこもり事件が、世界中で報道されました。またしても、リオデジャネイロの治安の悪さを象徴することになったこの事件。スラム街を中心に活動する、武装麻薬組織を排除しようというプロジェクトは、まだまだ進行中です。そしてスラム街では、様々なソーシャルプロジェクトが進められているのも事実です。その中でも、女性を中心としたグループの、ファッション界への進出が注目されています。

コッパ・ロカは、ブラジル最大のスラム街、ロッシーニャを拠点とする服飾協同組合です。ブラジルの伝統ハンドワークを豊かに使用し、多くの有名ファッションブランドの下請けとして成長してきました。クライアントはラコステ、オスクレン、トード・ボーンチェ、クリスチャン・ラクロア、カルロス・ミーレなど。テクニックレベルの高い女性を集め、教育することで、そのハイレベルな技術を保っています。そして2010年、2年間の準備期間を経て、ついにコッパ・ロカ独自のブランドが誕生。SEBRAE(ブラジル中小企業支援サービス)の援助を受けて、「Yes, Brasil」の元デザイナー、Mario Olintoをむかえ実現しました。シンプルなデザインに繊細な刺繍が生きた、カジュアルスタイルが特徴で、ハイクオリティな縫製が高級感を感じさせます。


Linha Cidadania DOMもまた、ブラジル中小企業支援サービス支援の援助を受け、2010年に発足しました。低所得層の女性達が集まった様々なグループが参加している共同ブランドで、手作り感いっぱいの小物が中心です。デザインは女性達自らが担当し、ブラジルらしい華やかな色使いに、一針一針の暖かさが、その日のスタイルを引き締めてくれます。



リオデジャネイロのスラム街出身の、若い才能のあるデザイナーが集まったNGO、Moda Fusion。フランス人ジャーナリスト、Nadine Gonzalezとブラジル人デザイナー、Andrea Fasanelloにより2005年に創立。以来スラム街出身の若いクリエイターを巻き込み活動を広げてきました。オーガニックコットン、バナナの繊維、リサイクルされたペットボトルなどが洋服の材料。ソーシャルプロジェクトとしてだけでなく、積極的な環境への取り組みも魅力的です。


昔から自宅で、母から娘に伝えられてきた刺繍やパッチワークの技術。それを女性達が新たに学び、技術を向上させることで職業が生まれ、新しいファッションスタイルが生まれているのです。

